毎年、ワールドカップ・キッツビューエル大会の前哨戦として行われる、ウエステンドルフ(キッツビューエルの2つ隣の街)でのFISレースで、佐々木明(ガーラ湯沢)が優勝。22日に行われるワールドカップ・キッツビューエル大会に向けて、大きな弾みとなった。
また佐々木以外にも湯浅直樹(北海道東海大)が7位と大健闘、岡田利修(天山リゾート)は26位、皆川賢太郎(アルビレックス新潟)は2本目途中棄権、生田康宏(東京美装)は1本目途中棄権だった。
■□■【Mikio Futatsukaの現地レポート】■□■
伝統のハーネンカムレースの前哨戦として行われる、ウエステンドルフ(キッツビューエルのすぐ近くのスキー場)でのFISレースは、3日後に行われるワールドカップ・スラロームの前哨戦という位置づけで定着している。
その理由は、ナイターレースで行われるために観客が集まりやすいこと、またかつては相当の賞金も出ていた(今年から賞金制はなくなった)ことなどがあがるが、最大の理由は、数多くのワールドカップ選手が参加するからだ。今年もワールドカップさながらの豪華なレースとなった。
そんな「ビッグ」なレースで、佐々木明が見事に優勝した。このレースで日本人選手が優勝するのは初めて、本番のレースに向けて大きな弾みとなることは間違いない。というのも、このレースで好成績を残した選手は、キッツビューエル大会でも良い成績を残すことが多いからだ。
佐々木の下には、そうそうたる選手がひしめきあっている。例えば第1シード選手では、トーマス・グランディ(CAN・3位)、アロイス・フォグル(GER・4位)、カーレ・パランダー(FIN・6位)、マリオ・マット(AUT・16位)などである。このメンバーを相手に優勝したことが、何よりも大きい。
佐々木は、年明け最初のワールドカップレース、スラローム第4戦アデルボーデン前、消化器系の不調により、背中や腰に痛みが出るようになっていた。アデルボーデンでは、2本目に途中棄権したのちにしばらく動けなかったのは、転倒による痛みよりも、この消化器系の不調による痛みが最大の理由だった。
続く第5戦ウェンゲンでは、痛み止めを飲んでの出場だったが、十分なパフォーマンスを見せずに終わってしまった。しかしここにきて、やっと横への動きができる、佐々木明本来の滑りができるようになったと、本人は自分を評価する。
またこのレースで7位に入った湯浅直樹も注目だ。自分の滑りを取り戻すための調整をここまで続けてきて、その一定の成果がここでも現れた。
ウェンゲン4位の皆川賢太郎も、引き続き好調を維持している。このFISレースは2本目のゴール前で途中棄権したが、そこまでは賢太郎らしい滑りを行っていた。
キッツビューエルでの日本選手たちの活躍が期待できそうな雰囲気である。
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