1月29日、オーストリア・キッツビューエルで男子スラローム第6戦が行われ、前日に引き続いてスウェーデンのイエンス・ビグマルクが優勝。会場に大きなサプライズを与えている。
2位は、やはり前日と同じオーダーでマリオ・マット(AUT)が続き、3位にはマンフレッド・モエルグ(ITA)が久しぶりに顔を出した。
なお、日本勢は今日も元気がなく、佐々木明(グローバル・エクステンド)、湯浅直樹(アルペン)共に2本目に進めなかった。
写真上:優勝したビグマルク。レッドビブが輝く
写真中:表彰台ではしゃぐビグマルク。早くもステンマルクの再来と騒がれる
写真下:ようやく復活の兆しを見せるモエルグ
■□■ MICKYの現地レポート ■□■
キッツビューエルの2戦目は、またまた、イエンス・ビグマルクのものとなった。これで2連勝、前日の優勝がフロックでないことを高らかにアピールした。
気がつけば、昨日の優勝によって種目別トップに立ったビグマルクは、今日はレッドビブによる参戦。そのビブをしっかりと守るだけではなく、さらに他を引き離す戦いぶりは、早くもステンマルクの再来と呼ばれるほどだ。
「昨日は祝勝会で寝られなかったけど、リラックスしてレースは出来たと」今回の優勝について語るビグマルク。1985年生まれ、まだ弱冠21歳、プレスカンファレンス(共同記者会見)の場所が苦手なのか、それともステンマルク流なのか、寡黙な雰囲気の選手だ。
2位は前日に引き続きマリオ・マットが続く。マットは、調子を取り戻していることも去ることながら、キッツビューエルとの相性の良さを披露している。
3位のモエルグは、かつては次世代のトップスラローマーとして期待され、トリノ五輪ではメダルを期待される立場だったが、怪我で低迷していた。しかし、ようやく調子が戻ってきたようで、「今回はストレートなラインをダイレクトに狙えた。その上、ミステイクはほんの僅かだった」と、久しぶりの上位進出に上機嫌だった。
4位はスイスの新鋭ベルトッド、5位はドイツの新鋭ノイロイターと、マット以外は80年代生まれが上位を独占している。ワールドカップ・スラローム戦線は、どんどん若い選手が出てきている。77、78年生まれのゴールデンエイジ(ライヒ、シェンフェルダー、ミラー世代)以前はカービング世代と位置づけることができるが、80年以降の若手選手はテクニックがカービングとは若干、違う感じである。
一方で、日本勢は深刻な状況だ。佐々木と湯浅はまたもや2本目に残れなかった。緩斜面の続くこうしたコースは、日本人は不得意とはいえ、2戦連続でのセカンドカットはショックが大きい。
「チーム・ジャパン」はうかうかしてられない。佐々木は残りのレースを確実かつ大胆に攻めないと、最終戦出場も危なくなってきた。残るレースはあと3戦、 次のシュラドミングに期待したい。
ところで、今年のキッツビューエルはスピード系のレースがキャンセルになったせいか、賞金が“やたら”高かった。優勝賞金は1,000万円、ビグマルクは2日間で2,000万円の荒稼ぎという形になった。
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