滑降1本、スラローム1本で行われる、スーパーコンビネーションが、スイス・ウェンゲンで行われ、ベンジャミン・ライヒ(AUT)が昨年に引き続き優勝した。優勝候補のボディ・ミラー(USA)は途中棄権に終わった。
■□■【Mikio Futatsukaの現地レポート】■□■
今年で2回目を迎えた、伝統のウェンゲンで行われるスーパーコンバインド。通常のコンビ種目とは違って、滑降1本+スラローム1本で行われることもあって、スピード系の選手に有利かと思われる種目だが、ふたを開けてみると意外にもそうでもない。
最初に行われたダウンヒルは、ヴァルディゼールで優勝したミハエル・ヴァルヒホファー(AUT)、最大の優勝候補のボディ・ミラー(AUT)、ヘルマン・“ハーミネーター”・マイヤー(AUT)、ミスターアルペンスキーのチェティル・アンドレ・オーモット(NOR)と、ビッグネームが順当に入ってきた。その一方で、去年の覇者であるベンジャミン・ライヒ(AUT)は、トップから2秒遅れの13位。その滑りに納得がいかなかったのか、ゴールしてタイムを見ると、大きく首を横に振って、自分のパフォーマンスを嘆いた。
後半のスラロームは快晴の空の下で行われた。気になるレースコースの状況は、TV解説として登場した“スーパー”マリオ・ライターが「最高だ」と話しかけてくるほど良好だった。
前半の滑降で遅れたライヒは、ゴールした時点でトップに立ったが、タイム差を考えると前半2位のミラーが有利かと思われた。
しかし、ミラーは今年も相変わらずスラロームでなかなか完走できない。大事なこの場面でも、いつものようにコース外に消えていった。何か思うことがあったのか、ミラーはレース後にスタッフに勢い込んで、何事か熱く話していた。
結局、ライヒはこのまま逃げ切り、12位から逆転で優勝。着々とオールラウンダーとしての地位を固めつつあるライヒだが、この勝利で気を良くしたか、夕刻に翌日のスペシャルダウンヒルには出場しないとインフォーメーションした。
2位に入ったのはオーモット。健在振りををここでも示した。3位はダウンヒラーながらも、スラロームで12位と頑張ったフィル・ペーター(ITA)が入った。
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