◆◇◆ MICKYの現地レポート ◆◇◆
男子大回転も、晴天に恵まれた。晴天となると、標高の高いこのビーバークリークはとにかく寒い。今日も肌を刺すような冷気の中、レースは開始された。
1本目はあまり振ってない簡単なセットが立った。トップから1秒以内に13人が入る混戦模様で、勝負は2本目の滑りいかん、という形になった。それにしても、オーストリアの不調が目立つのが、この北米シリーズだ。1本目の結果でベストテンに入れたのは、スラローマーのライナー・シェンフェルダーが6位にいるだけで、他はまったく歯が立たない状況。頼みのベンジャミン・ライヒは上部の急斜面で失敗し、1秒01も遅れてしまい13位と出遅れてしまった。なお、1本目のベストタイムは、前日の滑降の勢いをそのまま持ち込んだボディ・ミラー(USA)だった。
しかし、先に述べたように、タイム差はほとんどない。こうしたクロスゲームでは、失敗が勝負を左右することになる。1本目ラップのミラーは2本目、急斜面の入り口で、文字通り“飛んで”しまった。なんとかコースには復帰できたものの、大きくラインがあふれてしまった。スピードも明らかに落ちてしまい、連勝とはいかなかった(最終的には12位)。
優勝したのはイタリアのマッシミリアーノ・ブラルドーネ。表彰台の常連の選手なだけに、もっと勝っていても不思議ではないが、意外にもようやく2勝目。「イタリアのGSチームは今、ドリームチームだ」と言うブラルドーネだが、そのドリームチームをしても、先のオリンピックでは散々だったことは記憶に新しい。速さ以上に強さが、今後の課題だろうか?
2本目、流れるような滑りで、ほぼノーミスでコースを攻略したのがアクセル・ルンド・スピンダル。ラップタイムを獲得してトータル2位。スーパーコンビに続いてポイントを稼ぎ、現在総合トップにいる。昨年総合2位から、さらに上を期待できる状況だ。オーモット、チュースの黄金時代を引き継ぐ選手として期待される。
ただし、スピンダルはいつもシーズン前半は調子が良いものの、中盤以降に息切れする傾向にある。今の調子を維持できれば、オーバーオールタイトル争いでベンジャミン・ライヒやボディ・ミラーと真っ向勝負できるだろう。
3位はテッド・リゲティ(USA)が入った。「今年はGSでブレイクか?」という言葉も聞かれたが、去年すでにヨンピョンで大きな驚きを与えている。いずれにしても、目の離せない選手である。
前日2位だったディディエ・キュシュ(SUI)は4位。マテリアルチェンジ効果だろうか、現在総合2位と、素晴らしく好調である
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