1月14日、スイス・ウェンゲンで男子スーパーコンビ第3戦が行われ、オーストリアのマリオ・マットがスラロームで一気にトップに立ち、大逆転で優勝。マットは、コンビでの優勝は初めてとなる。2位には、アデルボーデンで衝撃を与えた地元スイスのマーク・ベルトッド、3位にはシルバン・ツルブリッケン(SUI)が続き、地元開催のレースを盛り上げた。
■□■□ MICKYの現地レポート ■□■□
雪不足のウェンゲンは、伝統のスラロームコースの傷みが激しく、結局スペシャルでのスラロームはキャンセル。何とかコースを確保できるスーパーコンビを開催した。
最初に行われた滑降で、トップに立ったのは好調フィル・ペーター(ITA)、2番目には高速系好調のボディ・ミラーと続いた。
このオーダーであれば、ミラーが絶対的有利といえるポジションだが、「やはり」スラロームでコースアウトし、今回もノーポイントに終わった。ミラーのスラロームは一体どうなってしまったのだろうか。
レースは滑降で何とか30番に引っかかったマリオ・マットがスラロームでスーパーランを見せて、そのままずっとトップを守り優勝という劇的な展開となった。
優勝候補のベンジャミン・ライヒ(AUT)、アクセル・ルンド・スビンダール(NOR)はスラロームでタイムが伸びず入賞止まりだった。
ところで、こうした劇的なレース展開となった最大の理由は、温暖な気温以外、他にない。スラロームを一番最初に滑れたマットの時はコースの表面はまだ硬くて、彼本来の滑りが出来た。しかし、時間が経つにつれて、コースが緩み、表面の固い部分が割れてしまって、コース状況は最悪だった。
現在のヨーロッパの雪の状況は、言うなれば日本のスプリングシリーズ、それも2本目のようなコンディションと同様だ。コース整備をしても焼け石に水といった状態で、こうしたコンディションに慣れていない、トップスラローマーは大いにてこづっている。
2位、3位はスイス勢で、この結果にスイスチーム観衆は大騒ぎ。スイスはこの前のアデルから調子が上がっており、古豪復活に光明が見え始めている。特にベルトッドは注目の選手と言えるだろう。
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