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			 1月20日、シャモニの代替地として、フランスのヴァルディゼールで急遽開催された男子滑降第6戦は、地元フランスのダルサン・ピエール・エマニュエルがワールドカップ初優勝を成し遂げた。 
 
 ダルサンは1977年生まれの29歳、ベテランの域に突入しようとしている選手だ。これまで、ワールドカップで目立った成績というのはほとんどなく、表彰台は04シーズンのガルミッシュでのスーパーGで2位というのが唯一の成績だ。滑降は7位が最高位だった。 
 
 フランスチームの長い目を見て選手を育てる戦略が、こうした成功に導いたと言える。 
 
■□■□ MICKYの現地レポート ■□■□ 
 
 昨日までの荒れた天気とは打って変わって、素晴らしい晴天に恵まれたヴァルディゼール。本レースは、レース開催前にトレーニングランを行ってから、本番のレースを行うという変則的な形での開催となった。 
 
 こうした変則開催となった理由は、1回目のトレーニングランではできなかったコース上部のトレーニングを行うためだ。しかも、このトレーニングランは、コース上部のみを使うという、かなり変則的なものであった。 
 
 レースは6番スタートのピエール・エマニュエル・ダルサンが優勝。「超」番狂わせのレースとなった。地元フランスでの開催とあって、フランス一色のお祭り騒ぎ。表彰式では彼の兄弟、さらにはファンクラブまでもが表彰台に駆け上り、「ラ・マルセイエーズ」(フランス国歌)を大合唱するという、大盛り上がりとなったのだった。 
 
 2、3位はカナダ勢が食い込んできた。若いエリック・ガイ、マニュエル・オズボン・パルディスが、表彰台を彩った。 
 
 4位にもフランスの選手、ヤニック・ベルトランドが食い込んだ。ベルトランドは、いわゆる生粋のフランス人ではなく、肌の色が黒い。アルペンスキー・ワールドカップに参加している選手は、ほとんどが白人。世界選手権となるとチリやブラジル、メキシコなどの選手が参加してきて、そうした肌の色の違いは目立たないが、ワールドカップではほとんどお目にかかれない。そうした選手が4位に来るというのは珍しいシーンである。 
 
 珍しいといえば、この大会は同タイムが3組もあったことだ。7位、10位、12位が同タイムだった。 
 
 オーストリア勢は相変わらず全体的に元気がない。若手のマリオ・シャイバーが5位で踏ん張っているが後続が続かない。 
 
 明日のスーパーコンビは、佐々木明(グローバル・エクステンド)も出場する。1回目のトレーニングランでのスタートナンバーは107番という考えられないようなスタート順だった。しかも、100番台のゼッケンがなかったために、「F7」のビブだった。 
 
 トレーニングランの佐々木の結果は96位、トップとは7秒76遅れだったが、このトレーニングランは目も当てられないほどの荒天だったので、参考タイムにもならないというのが実際だ。ウェンゲンで優勝したマリオ・マットは、佐々木の直ぐ前の95位のタイム(コンマ2差)、本番でも、こうしたレーサーにピッタリ付きたいところだ。 
 
 なお、この日、開催が危ぶまれていた次戦のキッツビューエルが開催できる旨が正式に発表された。また、スラロームは2戦行うことも同時に提案されている。  
 
写真上:ダルサンの滑り 
写真下:スタート直前の佐々木明 
			 
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