スイス・アデルボーデンで行われた、ワールドカップ男子スラローム第4戦は、開幕戦から負けなしのジョルジョ・ロッカ(ITA)が、今回も危なげないレース運びで優勝。連勝を4に伸ばした。
日本からは3選手が出場。皆川賢太郎(アルビレックス新潟)と湯浅直樹(北海道東海大)は1本目で途中棄権で終わった。佐々木明(ガーラ湯沢)は1本目1.09秒差の6位と絶好の位置につけていたが、2本目惜しくも途中棄権に終わった。
■□■【Mikio Futatsukaの現地レポート】■□■
前日の大回転と比べても、レースコースはさらに磨かれて、まさにカチカチ。インスペクション中、各国のコーチは最後の急斜面を降りるのにかなり苦労しており、ビビッて腰が退けていたほどだった。そんな難易度の高いコースでラップを奪ったのは、ここまで3連勝しているジョルジオ・ロッカだった。
好調のロッカに続いたのは今シーズン“ブレイクスルー”したUSAのテッド・リガティ。彼の滑りはまさに「イケイケ」という表現がピッタリで、(佐々木)明をしても彼を見て「俺もああでなくちゃ」と漏らすほどだ。
日本勢は、佐々木明が6位と好位置につけたが、皆川賢太郎、湯浅直樹は残念ながらアウト。湯浅は早々に片反してしまったが、「あれは事故。去年までの片反とは違う」と言って、自分が成長していることをアピールしていた。
2本目、佐々木明の上位入賞が期待されたが、佐々木は急斜面でアウト。良い滑りをしていただけに残念な結果だった。
1本目4位のベンジャミン・ライヒは、滑り終わった時点でトップに立った。それまでトップだった、オリンピックチャンピオンのジャンピエール・ビダル(FRA)は、今シーズン第1シードを落ちているが、調子はいいようだ。オリンピックで再び一花咲かせるかもしれない。
ここからレースはヒートアップしていく。次のカーレ・パランダーは3位と沈んだが、続くリガティは、好調な今シーズンを確実に印象付けるようにアグレッシブな滑りをゴールラインまで続けて、暫定トップに立つ。いよいよロッカのスタート。テッドの初優勝か、ロッカの4連勝かという見所いっぱいのクライマックスとなった。
ロッカはフルアタックしながらも、危険な個所は危なげなくまとめ、終わってみれば2本目もリガティ、ライヒ、パランダーを上回るタイムを叩きだして、文句なしの優勝。今のロッカは誰も止められそうにない。そう思わせるほど、速く、安定している。
地元イタリアのオリンピックまで、この好調は続くのか? ハードなバーンを攻めきったロッカは、プレスカンファレンスで「難しいバーンをアタックできたのは、スキーを完璧に仕上げてくれたサービスマンやスタッフのおかげだ」と話し、マテリアルが自分の身体や滑りにフィットしていることや、周囲のスタッフとの息が揃っていることを説明した。
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