伝統のハーネンカムレース、キッツビューエルでのワールドカップが行われ、オーストリアのミカエル・ヴァルヒホッハーが、ハーネンカムを制した。
今年のハーネンカムレースも、残念ながら天気に恵まれず、見所の“マウスファーレ”や“シュタイルハング”はカットされたコースでの戦いのない、興奮度の低いレースとなった。
昨年に引き続いて、本当のハーネンカムが戻る日は、また来年まで待たなければならない。
■□■【Mikio Futatsukaの現地レポート】■□■
世界中のアルペンスキーファンが、この1日を楽しみにしている。今日は、ハーネンカムレース、キッツビューエルの滑降レースが行われる日だ。しかし、そのハーネンカムを取材するメディアの動きは緩慢だ。雪とガスに包まれたキッツビューエルの街に絶望したか、世界的なフォトエージェンシーの、ZOOMやPenta Fotoの動きも遅い。おそらく、この日のレースはキャンセルとなると予想しているのだろう。
しかし、レース開催かどうかを決める、ギリギリの時間になって、メディアも急激に動き出した。どうやら、強引にレース開催にこぎつけるようだ。そして、僅か10分程度の遅れでレースはスタートした。
スタート位置は下げられたショートのコースでのハーネンカムレース、優勝したのは、ミカエル・ヴァルヒホッハーだった。ゼッケン30番からスタートして、見事に栄冠を手にしたヴァルヒホッハー、地元オーストリアの選手だけあって、彼の栄冠を地元応援団は支えた。
しかし、このレースを最も盛り上げたのは、2位のマルコ・ビューヘルだろう。彼ががゴールしてトップだった時の喜び方は、静かに内に秘めた闘志が爆発したのが、手に取るようにわかり、人々の心に残るものだった。
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