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			 また、この男が大舞台でやってのけた。Mr.メダリスト、ことノルウェーのチェティル・アンドレ・オーモットが、今回もこの大舞台で強烈な一発をお見舞いした。男子スーパーGは、オーモットが並み居るメダル候補をすべて押しのけ、見事表彰台の中央で金メダルを首にかけた。 
 オーモットがオリンピックで獲得したメダル数はこれで8個目、世界選手権とあわせると20個目となる。この数字はもちろん、アルペン史上最高の数字だ。 
 
 レースは混乱の中から始まった。ゼッケン17番のブルーノ・ケルネン(SUI)まで出走したところで、激しい降雪と濃いガスのため、一度キャンセル。約2時間後に再レースとなった。天候はやや回復したものの、斜面のうねり、波などは見えにくい。しかも柔らかい雪と堅い氷が入り交じるコースコンディションである。 
 
 1度のインスペクションだけで、コースをマネージメントしなければならないこの種目は、緻密な戦略とアグレッシブな気持ちが必要になる。ましてや、オリンピックコースのように、多くの選手が経験の少ないコースでは、とくに重要な要素となる。 
 
 滑降のレースで膝を痛め、複合をキャンセルしたオーモットは、決して万全な状態ではなかった。しかし、悪天候によるタイムスケジュールの変更などもとともせず、オーモットは冷静に、そして果敢に滑りぬけた。抜群の集中力で攻略した結果は、金メダルの獲得だった。 
 
 2位はヘルマン・マイヤー(AUT)、3位はアンブロシ・ホフマン(SUI)だった。また、オリンピック直前に怪我をして出場が絶望視されていた、エリック・ガイ(CAN)が元気な姿を見せ、4位に食い込んだ。なお、ボディ・ミラー(USA)は今回も途中棄権だった。 
			 
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