トリノ五輪、先陣を切って行われた男子滑降は、フランスのアントン・デネリアが30番スタートから“ごぼう抜き”でトップタイムを刻み、圧倒的なタイム差で優勝した。
3回目の公式トレーニングの結果によって、出走順の決まる男子滑降の本戦。トレーニングで“手を抜いてきた”選手が多かったため、優勝候補の選手は、ゼッケン10番から20番あたりに固まる結果となった。
10番スタートのミカエル・バルヒホッハー(AUT)がトップに立ち、その後に続く選手が上回れない試合展開に、バルヒホッハーの金メダルが決まったに思われた。
しかし、トレーニングランを最後まで入念に調整してアタックをかけていたデネリアに勝利の女神が微笑んだ。序盤からタイムを伸ばし、そのままその速度をゴールまでつないで、0.72秒という大差で金メダルを獲得した。
全種目メダル獲得を狙ったボディ・ミラー(USA)は終盤までトップタイムに迫る滑りをしていたが、最後のパートで失速して5位に終わった。
またメダルコレクションの完成(※)を狙った、ノルウェーのチェチル・アンドレ・オーモットは、終盤まで金メダルに匹敵する積極的な滑りをしていたが、やはり終盤にタイムロスして4位に留まり、メダルを逃した(※オーモットは、この滑降種目で金メダルを獲得すれば、全種目金メダルだった)。
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